コーディング その3(実際にやってみた)

E-SYSをインストールしたので、実際にコーディングをやってみましょう。
F30/31の場合、コーディングで対応できる項目は20以上あります。
日本だけでなく海外のHPやForumなども探すと、いろいろと情報が出てきますので、それを参考にします。

今回はアイドリングストップのON/OFFメモリーを有効にしてみます。
アイドリングストップはボタンひとつでON/OFFを切り替えることができますが、一旦エンジンを切ると必ずONの状態にもどります。
常にOFFにしておきたい、というようば場合にはこの機能を有効にしておくと良いです。
ちなみに私は今のところアイドリングストップのデメリットを感じないので常にONで良い派です。夏になるとまた変わってくるかもしれませんが。

コーディング イメージ

コーディング項目一覧は別の記事に記載しました
今回のコーディングは

FEM_BODY→TCM_MSA_MEMORY
デフォルト値:nicht_aktiv
設定値:aktiv

です。

では、ここから画面キャプチャ付きで、私がやった内容を紹介します。
なお、E-SYS 3.26.1の操作方法ですので、バージョンが異なる場合は画面などが異なっているかもしれません。

全体の流れは以下のとおりです。

  1. クルマとPCを接続
  2. クルマからのデータの読み込み
  3. データの変更
  4. クルマへのデータの書き込み

E-SYS操作画面で黄色い確認ダイアログがちょくちょく出てきますが、以下の説明では省略しています。
各ダイアログで「OK」とか「Close」をクリックしておいてください。

1. クルマとPCを接続

まずENETケーブルをクルマとPCに接続します。

ENETケーブルを接続

次にE-SYSを起動して、「Expert Mode」の「Coding」を選択します。
その後、画面上部にある接続アイコンをクリックします。

E SYS操作0

接続ダイアログが表示されます。
画面上部のTarget欄では「VehicleInfo=F020」を選択します。
下図では選択肢が2つしか表示されていませんが、最初はたくさん表示されます。左上の「Main series:」のプルダウンから「F202」を選択すると下図のように選択肢が絞り込まれます。
そして下図赤丸部分のように、Interface欄では「Connection via VIN」を、Vehicle-specific parameterでは「Series, I-step」を選択して、下部の「Connect」をクリックします。

E-SYS操作1

 

2. クルマからのデータの読み込み

接続したら車両情報を読み込むため画面上部の「Read」ボタンをクリックします。

E-SYS操作2

するとそのボタンの下の欄に情報が読み込まれます。

E-SYS操作3
「FA」という名称のフォルダを右クリックして「Activate FA」を選択します。

E-SYS操作4

すると右側のVehicle Profile欄に情報が表示されます。
次にコントロールユニットを読み込むために、右下のSVT Actual欄の「Read」をクリックします。

E-SYS操作5

 

すると左側にユニット一覧が表示されます。
かなりたくさん表示されますが実際に使用するのは「CAF」と呼ばれるものだけです。
右下のSVT Filterから「CAF」を選択すると、CAFのみに絞り込まれます。

E-SYS操作7

 

E-SYS操作8

 

コーディングしたいユニットの番号を右クリックして「Read Coding Data」を選択します。
今回のアイドリングストップのON/OFFメモリーは、FEM_BODYというユニットになるので、「CAFD_00000794_012_034_013」がそれにあたります。

E-SYS操作9

するとユニット一覧のFEM_BODYのところにサブフォルダができます。

E-SYS操作10

 

これでクルマのデータがPCに読み込まれました。
クルマから読み込んだデータはPC上のファイルに保存されます(C:\Data\CAF)。
このデータファイルを以下の手順で変更・保存してからクルマに書き込む、という流れになります。

3. データの変更

このサブフォルダの中のアイテムを右クリックして「Edit FDL」を選択すると、実際のコーディングの画面に移ります。

E-SYS操作11

次の画面に移動するときにPINの入力ダイアログが表示されます。
E-SYSインストールのときにtokenを作成しましたが、その時に指定したパスワードを入力します。

E-SYS操作12

すると下図の画面になります。
この画面では選択したユニットで実施可能なコーディングパラメータがすべて表示されています。
ここから1つずつ探すのは大変なので、画面上部の検索窓で検索します。
今回のコーディングは「TCM_MSA_MEMORY」という名称の項目なので、これを入力して「Search」ボタンをクリックします。

E-SYS操作14

すると検索でヒットした項目が選択された状態となります。
文字列検索なので、検索結果が複数になる場合があります。一つ目にヒットした項目がお目当てのものではなかった場合は、再度「Search」ボタンをクリックすると次のヒット項目に移動します。
なお、この検索は現在選択されてる項目より下の項目しか検索しません。選択した項目より上にお目当ての物がある場合はヒットしませんので、一番上の項目を選択しなおしてから再度検索しましょう。

E-SYS操作15

サブフォルダに、「Ausgelesen」というフォルダがあります。この中のパラメタがコーディングで変更する項目です。

E-SYS操作16
今回は「nicht_aktiv」を「activ」に変更します。
項目を右クリックして「Edit」を選択します。

E-SYS操作17

該当項目がプルダウンなどで変更できるようになるので、これを変更します。
数値を変更するコーディング項目の場合は画面下部の「Value from ECU」の値を直接書き換えます(下図赤丸部分)。

E SYS操作18

 

変更が終わったら、画面上部のフロッピーディスクアイコンのボタンで保存します。
保存できたら画面上部左上の左矢印アイコンのボタンで最初の画面に戻ります。
(同じユニット内で複数項目を変更する場合は、全て変更してからまとめて保存しても大丈夫です。)

E-SYS操作19

 

4. クルマへのデータの書き込み

最後にクルマに書き込みします。
選択されている項目を右クリックしてい「Coding」を選択、もしくは画面右側の「Code FDL」ボタンをクリックします。

E-SYS操作20

以上で完了です。

コーディング その3(実際にやってみた)」への1件のフィードバック

  1. Ababa のコメント:

    初めまして。
    自分はF20 116i 乗りですが、これからコーディングにチャレンジするド初心者ですが、とても丁寧でわかりやすい画像付きの解説、本当に感謝です。自分のような、まったくの初心者には一番わかりやすいページかもです。
    普段はMacのデスクトップですが、このためにWindows
    ノートPCを中古で買ってしまいました(Macでも出来るらしいことは後で知りましたが)
    インストールまでは上手く言ったようなので、今度の日曜日あたりに挑戦してみたいと思います。
    この記事の掲載、ホントにありがたく思います。

    古い記事への書き込み、お許しください。

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